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ゆうた先生
元特別支援学校教諭/株式会社THE SHIP代表
東京学芸大学大学院 教育学研究科 特別支援教育専攻修了。

特別支援教育・発達支援の現場で、子ども一人ひとりの発達段階や特性に合わせた支援に取り組んできました。

現在は、山梨県で児童発達支援・放課後等デイサービス「SHIP」を運営しています。

子どもを「できない子」として見るのではなく、「これから学び、できることを身につけていく子」として捉え、その子にとって今ちょうどいい関わり方を考えることを大切にしています。

ABA、行動理解、視覚支援、環境調整、保護者支援などを、現場や家庭で使える形にして発信しています。
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子ども同士のトラブルをゼロにすることが、本当に良い支援なのか

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子ども同士で言い合いになったり、おもちゃを取り合ったりする場面に出会うと、「トラブルを起こさないようにしたい」と考えるのは自然なことだと思います。

もちろん、けがにつながる行動や、相手を傷つける行為を見過ごしてよいわけではありません。安全を守ることは最優先です。

一方で、トラブルを避けるために、友達と関わる機会そのものを少なくし続けたらどうでしょうか。

ゆうた先生

私は、安全を守りながら、子どもが人との関係を学べる機会も大切にしたいと考えています。

目次

1.「トラブルを起こさないこと」と「人との関わりを学ぶこと」は同じではない

友達と遊ぶときには、順番を待つ、気持ちを伝える、相手の言葉を聞く、意見の違いを調整するといったことが必要になります。

これらは、大人から一度説明を聞くだけで、いつでもできるようになるとは限りません。

落ち着いているときには「貸して」と言えても、どうしても使いたいおもちゃを前にすると言葉が出てこないこともあります。

そのようなとき、ただ友達から離すだけでは、次にどのように関わればよいかを学ぶ機会は生まれにくくなります。

だからこそ、関わりをなくすのではなく、どのような条件なら安全に関われるかを考えたいのです。

2.大人が介入するかどうかは、安全性と本人の状態で考える

友達同士のやり取りを、すべて子どもだけに任せればよいわけではありません。

私がまず大切にしたいのは、子どもの普段の様子や、その場面で起こりそうなことを把握することです。

例えば、相手に手が出る可能性が高い場面では、危険が起こる前に大人が近づいて関わります。安全確保を後回しにはしません。

一方、子ども同士で会話が続いていて、少し意見が食い違っている段階なら、すぐに会話を中断せず、様子を見られることもあります。

言い合いが強くなりそうなときには、短く言葉を補ったり、順番に話せるように助けたりします。

大切なのは「介入するか、しないか」の二択ではありません。

安全を確保した上で、大人がどの程度支えると、その子たちがやり取りを続けられるかを考えることです。

3.トラブルが起きた後は、まず事実と気持ちを分けて整理する

実際にトラブルが起きたときは、まず安全を確保し、落ち着ける状態をつくります。

その場で長く説得したり、すぐに当事者同士で話し合わせたりすることが適切とは限りません。

落ち着いてから、それぞれに次のことを確認します。

  • 何が起きたのか
  • そのとき、何をしたかったのか
  • 相手は何をしていたのか
  • 次に同じことがあったら、どんな伝え方ができそうか

「あなたはこう思ったんでしょう」と大人が決めつけるのではなく、「こう感じたのかな?」と確かめながら言葉を補います。

謝罪そのものを急いで求めるよりも、何が起きたのかを理解し、次にどう関わるかを考えることに意味がある場合もあります。

もちろん、相手が受けた影響への対応や、その後の安全確保は必要です。「謝らせないこと」を目的にするわけではありません。

4.トラブルの前に練習できることがある

私は、言葉による説明だけでうまくいかないときには、落ち着いた場面で伝え方を確かめたり、実際に練習したりすることが大切だと考えています。

例えば、「貸して」と言う練習だけでなく、相手がまだ使っているときにどうするか、待てないときに誰へ助けを求めるかまで一緒に考えられます。

実際の場面では、長く説明し直すのではなく、「どうするんだったっけ?」と短く思い出せるようにする方法もあります。

ただし、疲れている日や気持ちに余裕のない日は、練習した行動を使うこと自体が難しいかもしれません。そのときは、支援の負担や環境を調整する視点も必要です。

5.支援後に確認したいこと

トラブルの回数だけでなく、次の変化を観察してみます。

  • 危険な行動が起こる前に、大人へ伝えられたか
  • 友達とのやり取りを続けられた場面はあったか
  • 大人の助けがどの程度必要だったか
  • 落ち着いた後、自分や相手の気持ちを整理できたか
  • どの人数、活動、相手、環境なら関わりやすかったか

「トラブルがなかったからよかった」で終わらせず、子どもが何を学ぶ機会を得られたかまで振り返りたいですね。

まとめ

子ども同士のトラブルには、適切に止めなければならないものがあります。周囲の子どもの安全や権利を守ることは、何よりも大切です。

その一方で、トラブルを避けることだけを優先し、友達との関わりを減らし続けることが、その子のためになるとは限りません。

目指したいのは、危険を防ぎながら、言葉で伝えること、相手の思いを知ること、関係を調整することを、少しずつ経験できる環境です。

「問題を起こさせない」だけでなく、「次はどう関われるようになるか」を考える。

私は、そうした視点を大切にしながら、子どもたちの成長を支えていきたいと考えています。


※この記事は、筆者がこれまで語った支援観を基に編集した実践解説です。特定の児童の実例や、支援方法の効果を保証する内容ではありません。


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研修・相談サービスの提供主体は株式会社THE SHIPです。土屋勇太(ゆうた先生)が担当します。

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この記事を書いた人

ゆうた先生のアバター ゆうた先生 株式会社THE SHIP代表取締役/元特別支援学校教諭

株式会社THE SHIP代表取締役。東京学芸大学大学院教育学研究科特別支援教育専攻修了。元特別支援学校教諭。現在は山梨県で、児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援を運営しています。子どもの行動の背景を丁寧に捉え、家庭や支援現場で実践できる発達支援・特別支援教育の情報を発信しています。

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